ジク製 税抜き定価440円
実車解説
ウニモグはドイツの自動車メーカー、ダイムラーがメルセデス・ベンツブランドで製造販売している多目的トラック。
「UNIMOG」の名称はドイツ語の「UNVERSAL-MOTOR-GERAT(多目的動力装置)」の略で、不整地の走破性に優れたシャシーの上に、用途ごとに対応できるアタッチメント式のトラックベッドを搭載し、農業から救助、軍用までありとあらゆる目的に使えるという万能の一台なのです。
現在でも世界中で活躍するウニモグですが、その生まれた背景には戦闘民族ドイツ人が持つ、不屈の信念が込められていることをご存知でしょうか?
第2次大戦時、ドイツ軍はいち早く軍隊の機械化を図り、自動車やオートバイ、戦車で敵軍の心臓部をいち早く叩く電撃戦でフランスをわずか一ヶ月で陥落させます。
ドイツといえば超強力な戦車であるティーガーやパンターが有名ですが、本当の強さは歩兵をトラックなどの自動車でいち早く移動させ、縦横無尽に戦場を動き回る機動力にあったのです。
1945年4月にドイツは連合国に降伏し、第2次大戦を敗北で迎えます。
全ての兵器開発を凍結されますが、そこは戦闘国家ドイツ。敗戦直後の1945年であっても、密かに次世代の兵器の開発が始まりました。
さすがに表だって「軍用トラック」として開発はできないので、ドイツは一計を案じます。
連合国は戦後のドイツを平和な農業国にしようと考えていました。
ですから、ウニモグを「これは農業用トラクターなんです! 兵器なんかじゃないから大丈夫ですよ!!!」とカモフラージュしたのです。
この「農業用トラクターなんです!!!」というのはドイツのお家芸だったりします。第一次世界大戦で敗北し、兵器の開発を凍結されたときのこと。後の電撃戦で活躍する1号戦車を「これは農業用トラクターですから!!!」と誤魔化して開発した前例があります。
もしあなたにドイツ人の友人がいる場合、急に農業を強調し始めたら注意する必要があるかもしれません(笑)
そんなウニモグですが、開発には第2次大戦での戦訓が大きく取り入れられています。
特に大きなものは荷台を交換するだけで多目的用途に対応できるアタッチメント構造でしょう。
大戦中、ドイツ軍を苦しめたのが戦闘車両のバリエーションが際限なく増えたことでした。
様々な戦況に対応するため数多くのバリエーション車両を開発したものの、専用の部品を車種ごとに用意したり、修理や運用の技術もそれぞれ新しく教育しなおさなければならないなど、運用へのコストがどんどん増大していったのです。
こうして誕生したウニモグは最初こそ農業分野に従事しますが、軍用、救助用、作業用、挙句の果てにはパリ・ダカールラリーへの出場など用途がどんどん増えてき世界中で活躍することになりました。
70年たった現在でも改良を加え続けられながら生産されていますが、基本のコンセプトは開発当初とまったく変わっていません。
きっとこの先電気自動車や燃料電池車が主流になっても、ウニモグはエンジンを変えて生き残り続けるでしょう。
優れたコンセプトは時代を超える。ウニモグはそんな真理を体現した一台なのです。
購入日記
雨続きますね……
ここ最近頭を悩ませているのが雨の日の土日、子どもとどう過ごすか。
エネルギーに満ちた我が子たちを一日家においておくのは難題なんですよね。
台風接近中でしたが、家の中でも台風が暴れまわっているような状態だったので、だったら雨だけど家族全員で出かけよう、と川越へ。
午前中は児童館で遊ばせ、昼食を食べていたら下の娘がこっくりこっくり寝始めたので、娘を奥さんにまかせて私と息子は丸広のおもちゃコーナーへ。
息子と一緒にジクコーナーを眺めていたら、息子はピステンブーリー圧雪車が気に入ったらしく、これを買うと即決。
私は息子ほど即決できなかったんですが、sikuを買い始めたころから次こそ買おう、とずっと棚上げしていたウニモグ消防車をお迎えすることをついに決断。
471円にて購入したわけです。
私も持っているので、2つ並べてみました。
全幅 24㎜
全高 30.5㎜
実車の全長が約6,300㎜なので、計測すると正確な縮尺は1/87スケールとなります。
sikuのウニモグは2000年以降に販売されている新しい世代のウニモグの中でも、シャシーの全長が長く大型の荷台を搭載できるU500の消防車型を立体化したもの。
ベーシックシリーズのブリスターに入っていますが、実はこのウニモグ消防車、ワンランク上のグレードである1/87スケールシリーズなんです。
なのでディテールの解像度がベーシックシリーズよりも細かく表現されており、内側がちゃんと抜けているシャシーや消防車部分のすべり止め、インテリアの精密っぷりなどびっくりするくらいよく出来ています。
これで定価はなんと440円!!! 現行のトミカより安いんです!!!
sikuはどうしても割高な印象がありますが、ちょっと前に発売された少し古い商品は値段が440円と意外と安いんですね。
しかもその時期はまだ中国の工場の人件費がやすかった時代なので、440円モデルのほうが現行の680円モデルよりも出来がいいという逆転現象が起きてるんです。
ボディはダイキャスト製で、ディテールの彫りも深くsikuらしいカッチリとした出来。ペイントもむら無くしっかりとしたもので、滑り止めやシャッターは輝きの強いシルバーで均一に塗り分けられています。
キャビンの回転灯はクリアーブルーのプラパーツでの再現。こういう灯火類がクリアーだとリアリティがグっとアップしますよね。
シャシーはプラスチック製で、バンパー部はホワイトでペイント。
シャシーはウニモグの本体とも言える部分。さすがドイツというべきか、1パーツながらスライド金型を使ってシャシー側面の工具箱な内側の抜けなどが再現されているのもうれしいところ。
タイヤはホイールがプラパーツ、タイヤがゴムで、共に実車に忠実な専用設計されたパーツ。
sikuでも最近のモデルは共用のタイヤを履いていますが、この時期のモデルは専用のタイヤを履いているのが多いので見逃せません。
車体裏には
1068
Sieper GmbH Postfach
siku 2569 D-58475 LÜd
と刻印されています。
生産国表記はありませんが、ブリスターカードにメイド・イン・チャイナと書かれているので中国製ですね。
おなじく440円台の製品であるメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンとの比較。
SLRマクラーレンもタイヤ・ホイール共に専用設計で、ドアは開閉しないもののプロポーションは抜群で、インテリアのディテールはプラモ並みのシャープさ。
440円シリーズの中でもおすすめのモデルです。
これで塗装がシルバーなら完璧なんですけどね……
というわけで214台目のコレクション、ウニモグ消防車でした。
ミニタリーモデラーでドイツ軍ファンの私ですから、当然のごとくウニモグって大好きなんです。
トミカにもラインナップされてますし、これを機会にいろんなウニモグをウニウニ集めたくなってきました。
なんというか「ウニモグ」って響き、可愛いですよね♪
【コレクション台数 214台】
【コレクション仕様金額 73810円】
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